ヒーリング

ヨガのアーサナって何?84もの数にはすべてに意味があった!

アーサナと聞いてヨガのポーズと即答できる方は、おそらくヨガの経験者か興味のある方だと思います。

一般的にはあまりなじみのない言葉ですが、ヨガを行う上では必要不可欠なもの。健康や美容のためにヨガを取り入れる方も増えていますし、ヨガそのものは決して珍しいものではなくなっています。

アーサナには数々の種類がありますが、そのすべてに意味があり効果もそれぞれ異なるといわれています。ヨガとは切っては切り離せないアーサナとは、どのようなものなのでしょうか。

アーサナとはヨガに不可欠なポーズのこと

ヨガは決められたポーズ、つまりアーサナと呼吸で成り立っているといわれます。アーサナはヨガのポーズとも、ヨガの体位とも訳される、体勢のことです。

アーサナを取りつつ、呼吸を整えることで初めてヨガといえるくらい、どちらもとても大切なもの。アーサナを真似ただけでも、呼吸を整えるだけでも成立しません。ヨガはアーサナと呼吸の両方が正確に行えてこそ効果を発揮するものです。

簡単そうに見えるヨガでも初心者には難しいといわれる理由は、アーサナと呼吸を同時に行うことが容易ではないからといえますね。

ヨガの起源とアーサナの意味は別物?

ヨガというと、インド生まれのリラクゼーションを重視したトレーニングやスポーツといったイメージがありますが、本来のヨガはまったく別物といえます。

ヨガは宗教的な意味合いが強く、修行における瞑想のこと。アーサナも、瞑想時に取った体位のことですので、現在主流となっているリラクゼーションスポーツとは似て非なるものです。

インド発祥の古典ヨガと、現代多くの方が健康のために取り入れているヨガは、本流と支流ほどの違いがあると考えていいかもしれません。

インドのヨガは瞑想のためのポーズ

本来、古典ヨガのアーサナは、瞑想の邪魔にならない楽な体位のことでした。現在ヨガと聞いてイメージされているものは、ダイエットやリラクゼーションとスポーツやトレーニングを融合させた健康サポートがメイン。

古典ヨガの宗教的な瞑想とは本質が異なります。瞑想時のアーサナはあくまで瞑想がメインですので、元々は心や体の緊張を緩める座り方のことでしかありません。

瞑想に呼吸はとても重要なものではありますが、アーサナ自体は重要視されておらず、古典ヨガの経典にも、リラックスできる体位という意味合いの記載がされているだけなのです。

古典ヨガは宗教の一環ですし、一般的に取り入れられているヨガは健康促進のためのものという違いがあります。古典ヨガではアーサナは本来それほど意味深いものではないのです。

現在のヨガとアーサナはスポーツに近いもの

現在私たちが行おうと考えるヨガは、ヨガスタジオやスポーツジムなどで取り入れられているヨガではないでしょうか。大本はインドの古典ヨガではありますが、一般的なヨガは心身の健康増進のためにかなりアレンジが加えられたものといえます。

決して激しいスポーツや体に負荷をかけるトレーニングではないものの、自分の体の重みである自重や柔軟性、バランスを取ることで行うスポーツです。

ヨガにとって重要な呼吸とアーサナも、瞑想ではなくトレーニング効果を高めるためのものになります。リラクゼーション効果が高く、心身の健康を目的としたものとはいえ、比重は身体の方に傾くため、スポーツやトレーニングに近いものが現在のヨガです。

アーサナには84もの種類がある!

アーサナは独特の名称がつけられています。ほとんどヨガに触れたことのない方でも「太陽のポーズ」や「木のポーズ」といった、〇〇のポーズと呼ばれるものがヨガのポーズ。アーサナであることはご存知の方も多いでしょう。

アーサナの数はとても多く、84もの種類があるといわれています。その大半が自然や動物の名前がついたもの。ヨガは人の中にある自然の部分を引き出し、自然と調和することを重要視しています。そのため、人工的ではない自然や動物のネーミングが多いのです。

84種類のアーサナの中には、初心者でも取り入れやすいものから、アクロバティックなものまで様々です。

ビギナーでも挑戦しやすいアーサナ10選

  1. 赤ちゃんのポーズ:仰向けになって両ひざを抱え込むアーサナ。整腸作用が期待できます。
  2. 山のポーズ:姿勢を整えて立ち、呼吸を意識することで平衡感覚を養えるアーサナ。
  3. 太陽拝礼:両手両脚を開いて立ち、大きく斜めに前屈するアーサナ。柔軟性を高め、基礎代謝をアップします。
  4. 開脚前屈のポーズ:軽く開脚して座り、前屈するアーサナ。柔軟性と下半身全体のストレッチに有効。
  5. 鷲のポーズ:中腰で片足立ち。両手両脚を絡めるアーサナ。体幹を鍛え、集中力アップできます。
  6. チャイルドポーズ:正座をしたまま両手を伸ばし前屈するアーサナ。ヨガの前後や休憩のためのポーズ。
  7. スパインツイスト:両腕を広げ仰向けに横たわり、腰から下を大きくひねるアーサナ。腰回りやウエストをすっきりさせます。
  8. 三角のポーズ:両手両脚を広げ、三角形を描くようにストレッチを行うアーサナ。リンパや血液の循環を促進します。
  9. 猫のポーズ:四つん這いになって猫が背伸びをするようなポーズ。背中や背骨のストレッチに効果的なアーサナ。
  10. 無空のポーズ:仰向けに横たわり全身をリラックスさせるアーサナ。呼吸を意識することが大切な、疲れを取り除く瞑想のポーズ。

アーサナには立っているだけでも意味がある

前述したものは何らかの効果を求めて行う、ストレッチに近いアーサナです。ヨガスタジオやスポーツジムで行うヨガにも、これらのアーサナが組み込まれていることは多いと思います。

初心者が自宅でも取り入れやすいものをピックアップしましたが、本来の古典的なヨガとはまったく違うでしょう。

瞑想を主体とする古典ヨガのアーサナは、決まったポーズを取るのだけではなく、立つ・座る・歩くといった日常の動作のすべてに意味があるという考え方です。意識しなければ行えないアーサナと、無意識でも身についているアーサナとの違いがあるといえるかもしれません。

リラクゼーションスポーツやトレーニングとしてのヨガと、悟りを拓くためのヨガとではアーサナに対しての考え方も異なるといえると思います。

ヨガ初心者はスタジオで習うべき?

セレブがヨガを取り入れているということも多いせいか、ヨガに関する書籍なども多く出版されています。難しいものでなければ自宅でストレッチや軽い運動というという感覚でやってみようと思う方も少なくないと思います。

しかし、ヨガのアーサナは簡単そうにみえてもコツがいるものが多いです。ポージングだけではなく、同時に正しい呼吸を行うことも大切なため、初心者がコツをつかむのは難しいといえるでしょう。

特に難易度の高いアーサナになってくると、自己流は十分な効果が発揮できないことも少なくありません。可能であればスタジオに通ったり、インストラクターついてもらうのがベストだと思います。

体と相談して決して無理はしないこと!

ヨガは軽い運動を捉えている方はまだまだ多いと思います。ですが、アーサナの中には柔軟性が高く健康状態が良好でなければ体への負担が大きいものも少なくはありません。

本来のアーサナは、瞑想の邪魔にならないポーズであることを考えても、無理なポーズをとる必要はないといえます。

難易度の高いアーサナをクリアしたからといって、体に負担をかけてしまっては意味がありませんし、負担を感じている時点でヨガの効果はなくなるといっていいでしょう。自身の体調や可能な範囲を見極め、自分と相談しながら行うことが重要だと思います。

そのためにも、最初から難しいアーサナには挑戦しない。呼吸とアーサナを合わせて考える。専門家の指示を仰ぐということが有効ではないでしょうか。

アーサナは心と体の対話といえるもの

ヨガは体だけを鍛えるものでもなく、また心だけを鍛えるものでもありません。心と体の調和を重視し、自然との対話をしながらリラックスして楽しむことが一番です。

アーサナには84もの種類がありますし、すべてマスターしなければならないということはありません。ご自身が必要とするものを無理のない範囲で行い、継続することがヨガにとって重要なことですし、アーサナの意味や価値でもあるのだと思います。

ヨガは年齢や性別を問わず楽しみ、心と体の調子を整えることができるものです。決して無理をせず快適に行えるアーサナを取り入れることがヨガを続ける秘訣ではないでしょうか。

まとめ

アーサナはヨガポーズのことです。しかし、古典ヨガのアーサナと一般的なアーサナでは意味合いが異なっている部分も大きいですね。宗教の瞑想のためのアーサナは一般人の私たちには少々縁遠いものです。

リラクゼーションスポーツとしてのヨガこそ身近な存在になりましたが、それでも84種類ものアーサナをすべてこなせる方は少ないことでしょう。

こなせるアーサナの種類によって、初級・中級・上級と別れるとは思いますが、すべてのアーサナができなければいけないということはありませし、その方に合ったアーサナを正しい呼吸法とともに行うのがヨガの基本です。

健康促進やリラクゼーションとしてのヨガであれば、必要以上にアーサナの数にこだわることはなく、心地よくゆったりとヨガを続けていかれるのが一番だと思います。