「ワンネス」という言葉を聞いたことはありますか。英語で“Oneness”直訳すると“ひとつである”という意味ですが、スピリチュアルの世界でいうワンネスとは、自分も他人も植物も、全てはひとつで繋がっていて宇宙の一部であるという考え方のことを言います。
ワンネスを体感できるようになると、人は愛の意識に包まれ、幸福感で充たされると言われています。ワンネスとはどういうものか、どのように意識すると感じられるものなのか、ワンネスの世界に触れてみませんか。
ワンネスとは?ワンネスの概念
全ての魂の創造主は宇宙です。自分も他人も動物も植物も、元々ひとつであった魂から分離を受けた一部です。地球に存在するすべてのものは、元はひとつに繋がります。そのような概念のことをワンネスと言います。
私たち人間が生きている3次元の世界は、対極にある分離の世界です。しかし分離の世界に生きるからこそ、ワンネスを感じることができます。またワンネスは自分の意図に関わらず意識することができ、実は日常に溢れています。
宇宙はエネルギーの集合体である
宇宙はひとつひとつの元素エネルギーが集まったエネルギーの集合体です。人間も、植物も、見えない世界の霊も、物質、非物質に限らず、地球にある全てのものはエネルギーで出来ています。
それらの違いはエネルギーの振動数(波動)の違いです。高次の世界に近づくほど、波動はサラサラと流れるようなクリアな波動=高波動のエネルギーとなっていきます。
守護神や精霊等で知られるハイヤーセルフも宇宙エネルギーから派生し、分離した存在です。人間は更にその先に在る存在です。大元である宇宙から見ると、全てに違いはありません。構成するエネルギーの一部にすぎません。
このようにエネルギーの視点からも、人間はひとつの根源から派生した存在であることが理解できることと思います。
人は潜在的にワンネスを体感している
森林の中の木漏れ日や、水平線と沈み行く夕日を見て、心が洗われていくような感覚を感じたことはないでしょうか。そこには思考はなく、ただただ自然と同化するような感覚、それは自然に対しワンネスを感じている状態です。
伝えていないのに恋人と同じ時に同じことを考えていた、そんな一見偶然に見える、驚くような瞬間も、実は偶然ではなく、ひとつの魂であった時の記憶を共有していた、というワンネスの意識です。
人は意識をしていなくても、日常の中で自然にワンネスを感じ取っています。またその瞬間は、嬉しさや心地良さを伴っているはずです。ワンネスを彷彿させる場面は日常に溢れています。そしてそれに触れると幸福感を得るということを、人は自然に体感しています。
ワンネスの状態から魂が分離する理由
幸福で心地の良いワンネスの世界からなぜ再び分離をするのでしょうか。宇宙はなぜ再びひとつの魂から魂を分離させるのでしょうか。人間は生まれる前に自身で人生のミッションを設定して生まれてきていると言います。しかし、人生で直面する課題の中でそのことを忘れてしまうそうです。
分離した魂を受けた私たち人間は、現世における課題や苦しみの中で、気づきや学びを得ていきます。忘れてしまっている人生のミッションを見出し遂行していくことが、魂が再び分離する理由のひとつです。
この世は分離の世界という気づき
私たち人間は元々1つだった魂から分離し生まれます。そして死ぬ時に再び魂が元の1つであった魂に還っていくと言われています。仏教の世界ではこれを「輪廻転生」と称しますが、輪廻転生の目的は再びワンネスの意識に還ることと言われています。
ワンネスの意識に還るまでに私たちは“この世は分離の世界である”ということに気がつきます。生と死、陰と陽といった2元性の世界です。善と悪、好きと嫌い、常識と非常識、これらは人間の心の中にある分離の意識です。
生と死を区別することで、見えない世界、あの世の存在が消え、今自分がいる世界しか見えなくなります。善と悪、好きと嫌い、常識と非常識、これらは社会や他人が作った基準か否かという概念は関係なく、全て自分の心が選択し判断している基準です。
分離の世界からの学び
2元性の分離の世界で、人間は自分でより良いと思うものを思考し、選択し、行動をしています。しかしそれには時に、虚無感や喪失感、劣等感といった負の感情も伴います。虚無感から自分を否定したり、劣等感から他人を痛めつけたり・・・負の感情は辛く苦しいもの、人間の心を支配します。
全ての事象や感情は、宇宙の魂の記憶としてアカシックレコードに記録されます。個々の人生の中で起きる課題や苦しみもそれぞれ全て記録されていきます。またそれらは全て、ひとつの魂であった時に昇華できなかった課題や苦しみでもあり、自分の潜在意識の中にある課題と感情なのです。
分離の世界はそれらと再び向き合わせること、負の感情や課題の中で苦しみもがくことを命じています。それこそが分離の世界からの学びです。
分離意識をなくし気づくワンネス
ワンネスは分離がない世界です。善と悪、好きも嫌い、常識か否かもありません。私たちが分離の意識をなくすことで、全ては自分の心の持ち様であるということを、ワンネスは導き、支配されていた心を解放してくれます。
自分と他人という分離の意識をなくすと、他人も自分ということになります。理解できない他人の言動も、それは自分が認識している意識以外の意識を同時に認識できないだけであり、自分の意識(潜在意識)なのです。
そのように理解ができれば、他人について学ぶこと、思いやること、受け入れることは自分の意識の範囲を広げることに繋がります。全ては自分の言葉、自分の行為、自分のモノとなって、世界は急速に広がっていくのです。
自分はただ在る存在であること
分離意識がなくなり、全ては自分のモノ、自分の世界となり、残る「自分」とは何でしょうか。自分の判断、思考とは何でしょうか。人間の判断や思考は、自分で自分の中の記憶と結びつけることで生じるものです。自分の中で勝手につくりあげた思い込みが、自分の意識です。
本来の自分とは、思考とは切り離された存在であり、“ただ在る存在”です。何かをしよう、どうあるべきか、という意志や思考とは切り離された、ただ地球に息吹を吹き込まれただけの存在と言えます。
しかし、私たち人間が生きる現実世界においては、ただ在る存在ではいられません。常に判断と思考は問われ続け、切り離すことはできません。しかし本来の存在を思い出すことで、新しい「自分」に気がつくはずです。
アセンションの先に気づくワンネス
「アセンション」とは次元上昇のことを言います。人間が生きているこの世界は3次元の世界と言われますが、地球は今、5次元、6次元と、高次元の世界へとアセンションしていると言われています。
地球のアセンションを受け、人間も高次元のエネルギーを意識すれば波動を高めることができます。波動が高まれば、高次元の世界ひいては宇宙と繋がることができます。
つまりそれは、あらゆるものは宇宙とひとつであるというワンネスの意識と同じ意を持ち、アセンションの先にワンネスの意識があると理解できるものかと思います。アセンションをするには、日頃から波動を高める思考と言動を意識してみてください。同時にワンネスの世界に触れることができます。
クラウンチャクラが開くと気づくワンネス
人間の身体には「チャクラ」という7つのエネルギーの通過孔があります。頭上にある7番目のチャクラはクラウンチャクラとも呼ばれているのですが、このチャクラは宇宙やハイヤーセルフ等の高次の世界からのメッセージを受け取る交信経路の役割を持ちます。
故に、クラウンチャクラが開き覚醒することでワンネスの意識も開花されます。クラウンチャクラは無理に開かせるものではありません。ヨガや瞑想はその一助となりますが、第1チャクラから第6チャクラまでが正常に覚醒することで自然に開くと言われています。
クラウンチャクラを覚醒させるには、日頃から大地のエネルギーを意識し、身体でその気を感じることです。つまりは、そのこと自体がワンネスと言ってもよいのです。
まとめ
私たちが生きている分離の世界での自分の選択は、社会や他人の決めた基準と自分の思考や経験を結び付けたものであり、本来の自分の選択ではありません。
基準で区別をせず、思考を切り離し本来の自分の姿に立ち返ることで、歪みのない軽やかな愛が巡る感覚を感じることができるでしょう。それがワンネスの意識がもたらしてくれるという幸福感であり、ひいては自分らしい新しい思考と選択を導いてくれることでしょう。
また、ワンネスの概念はスピリチュアルの世界の様々な概念と繋がることがおわかりになるかと思います。様々なアプローチで繋がっていくワンネスの意識は、それくらい本質的な概念であり奥深いものと言え、人が現世で生きる上での一助となるのではないでしょうか。